ベルカント唱法で高音克服

大衆歌謡というジャンルにおいて、ここ数十年で変わったことと言うと、音楽と無関係な一般の人の歌唱力がどんでもなく底上げしていることもあります。

正直、40代後半か50代以上の年配世代の人は、歌がうまい人と下手な人(下手というか全然歌わない人)の歌唱レベルには相当な開きがありましたが、最近の若い人には、その開きが少なく、ほとんどの人がそこそこの歌唱レベルを持っていて、さらに一部の一般人はプロにも引けを取らないくらいの歌唱力の持ち主さんもいるくらいであります。

いわゆる、歌い手の戦国時代の突入

とも言える時代かも知れません。

こんな歌の戦国時代に歌ででっぺんを目指すということは、昔より一段とハードルが高くなっている思います。

このように一般の方の歌唱能力を底上げした理由には、以下の2点が大きかったと思います。

1.カラオケの普及
2.歌謡の歌唱法確立

カラオケは30年前くらいから本格的に普及され始め、1990年代の日本歌謡の全盛時代には、カラオケも一役を買い、ミリオンセラーCDが出るたびにカラオケ店の数も爆発的に増えていき、街中の至るところにカラオケがありました。今となっては、当時増えすぎたカラオケ店が廃れ始めたと言えます。

そうカラオケの普及と共に一般の人が知人や友人たちと一緒に、人前で歌う機会が増えましたし、歌謡曲に対する歌唱法もしっかりと確立されていきました。それまではプロの歌手たちのほとんどは、正式に歌唱訓練をうけた人が少なく、ほとんどが独学で自分の声に合った歌唱法を編み出して有名になったか、または持って生まれた歌声が突出していたために有名になった感じでしたが、今は、そうやって生まれた昭和の歌の歌い方や、歌手の歌声を分析して、それを歌唱法としてまとめて、街中のボイストレーニング教室で、一般人を相手に教えている時代になっているのです。

しかしながら、大衆歌謡の歴史は浅く、歌唱法の確立に見合うトレーニング法が追いつかず、歴史ある音楽ジャンルである声楽から拝借してきたトレーニング手法が数多く用いられているように見受けられます。

その一つがベルカント唱法です。

ベルカント唱法とは、声楽用語のひとつで、「美しい歌」「美しい歌唱」を意味するイタリア語です。

この歌唱法は、300年前に確立されたイタリアの伝統的な歌唱法で、喉に無理がなく、低音から高音まで気持ちよく、伸びやかに歌える唱法で、日本人に良く合う歌唱法といわれています。素人の立場であれこれ言うのもなんなんですが、声楽における発声には大きく、ドイツ式とイタリア式で別れるようです。

単に僕が抱いているイメージでしかありませんが、

僕は、イタリア式の発声時は、オペラ舞台をイメージして歌い、ドイツ式の発声時は、大きな教会(聖堂)で歌う聖歌隊をイメージして歌ったりしています。

※以上のことはあくまでも僕が発声法について独学で勉強する上で僕自身が考えたことを述べているだけで、実際に習っているボイトレ教室の教えて異なる可能性もありますので、ご了承ください。

しかし、両歌唱方法にとっての共通点としては、丸く発音している傾向をかんじました。おそらく、大きなホール内でマイクもなしに声を響かせる(大きく出す)ために編み出された先人の知恵だったかも知れません。オペラの歌が場合によっては、何を言っているか聞き取れなかったりしませんでしか?

僕が素人のせいなのか、丸い発音は言葉を聞き取りにくくしてしまう弱点もあります。反対に言葉を明瞭にしようと意識すればするほど、声帯に力がことになり、その状態で大きな声を出すと、声帯が傷ついてしまう恐れもあります。

イタリア式発声は、お腹の下のほうからしなやかに声を前に出すイメージで声を頭で共鳴させますが、ドイツ式発声は、自分の声を一度引き込んで、自分の胴体全体で共鳴を起こすイメージで、どっしりして、重さのある声を出すイメージです。

高い声を出すときは、頭で共鳴させるイタリア式発声であるペルカント唱法が適しているといえます。

言葉ではこれ以上の説明は難しいため、以下に参考になりそうな発生を貼り付けてみました。

この発声をどう歌謡にもってくるかは勉強するあなた次第だと思います。場合によってはあなたが日本歌謡に新ジャンルを編み出す一人になるかもしれません。

どんな歌唱法も万能なものはありません、ベルカント唱法は、オペラ歌手がマイクもなしに大きなホールで歌い、生の声で歌う歌手たちの声帯に無理な力を加えないために編み出された歌唱法です。その引き換えに、聞き手も慣れるまでは発音が聞き取りにくく、一般人が気軽に聞けるジャンルとはいい難いでしょう。

喉声の歌手を歌が下手だと思う人もいるそうですが、喉声は日常会話に一番近い発生をしており、使いようによっては、歌の歌詞を一番聴き手に届けやすい発声にもなれます。

どれがすぐれた歌唱法であるんだとか、決め付けるのではなく、いろいろな人のいろいろなジャンルの歌い方を吸収し、自分だけの歌い方を編み出すことが格好いいことだと僕は思います(今朝の記事、スキャットマンを参照)。歌は上手さより、まずは個性で、個性を極めた先の上手さこそ、格好よくありませんか。

記事作成:2018.8.3
記事更新:2018.8.23

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SATORI's Music BAR

音楽全般に関して未経験者である僕が音楽活動で独自の音楽世界を創り上げる過程を綴ります

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